中学受験の理科で、多くの受験生がパニックになり、丸暗記に頼って爆死する大不人気セクションの筆頭。それが「月の満ち欠けと時刻」です。
今回は、実際の入試(明大中野中)で出題された「月の南中時刻が1日49分遅れるとした場合、月の満ち欠けの周期を求めなさい」という問題をベースに、受験生が自力では絶対に辿り着けない「解説の架け橋」を、先生と生徒のライブ感あふれる会話劇でお届けします!
この問題の答えは
1440÷49≒29.4日
です。
しかし、多くの受験生は「なぜ1440を49で割るのか」が理解できません。
この記事では、その理由を図解イメージで説明します。
赤本の解説を読んでも1ミリも理解できなかったそこの君、ここがスッキリ納得の分岐点だよ!
🛑 「29.5日」の丸暗記じゃ対応不能!学校からの挑戦状
生徒: 先生、明大中野の過去問でとんでもない問題が出ました……。「月が1日49分遅れるとき、満ち欠けの周期を求めよ」って、そんなのテキストのどこにも載ってないです!月の周期は29.5日って暗記してたのに、計算で出せってどういうことですか!?
先生: ははは、これはいい問題だね!「29.5日」って知識をただ丸暗記している子を落とすための、学校側からの最高に意地悪で面白い挑戦状だよ。じゃあ、その暗記を一度ゴミ箱に捨てて、南の空をずーっと見つめる固定カメラを頭の中にセットしてみて。
生徒: 固定カメラ、セットしました!南の空を見ています。
先生: よし。じゃあ、太陽と月が同時に真ん中に南中した瞬間をスタートにしよう。太陽と月が重なっているから、つまり「新月」の瞬間だね。ここから僕たちの時計(スマホや腕時計)をスタートさせるよ。
⏰ なぜ時間で時間を割るの?「僕たちの時計」の正体

先生: さあ、スタートからぴったり1日後(24時間 = 1440分後)になりました。僕たちの時計が1440分を指したとき、南の空には何が戻ってくる?
生徒: それは太陽です!太陽が南中してから次に南中するまでを「1日(1440分)」って決めたんだから、太陽がカメラの真ん中に戻ってきます。
先生: 大正解。じゃあ、そのとき月はどこにいる?
生徒: 月は足が遅いから、太陽が南中した瞬間には、まだ画面の左側(東の空)に取り残されています。問題文によると、月がトコトコ進んでカメラの真ん中に来るまでに、そこからさらに「49分」かかるってことです。
先生: その通り!じゃあ、さらに次の日(2日後)は?
生徒: 太陽が2回目の南中を迎えたとき、月はさらに遅れて、今度は「49 × 2 = 98分」待たないとカメラの真ん中に来ません。毎日49分ずつ、月は太陽からどんどん引き離されていくんだ。

先生: 素晴らしい!よくついてきた。じゃあ、ここからが君たちが一番脳みそをバグらせる最大のモヤモヤポイントだよ。月が毎日49分ずつ遅れて逃げていくとして、「じゃあ、次の新月(もう一度太陽と月が重なる瞬間)になるには何日かかるか?」を求めるのに、塾の解説にはいきなりこう書かれているんだ。1440分 ÷ 49分 = 1440/49日
生徒: ええっ!?そこです!そこが全然わからない!月が逃げる「角度」が出ているなら、1周の360度をその角度で割れば日数が出るのはわかります。引っぱられる角度とか。でも、49分っていうのは「時間」ですよね?なんで「角度の360度」を無視して、1440分っていう別の時間をそのまま49分で割るだけで、答えが「○日(日数)」になっちゃうんですか!?
💡 納得の瞬間!「1440」という巨大な時計の文字盤
先生: ナイスな大疑問!みんなそこでフリーズするんだ。この謎を解く鍵はね、「時計の文字盤」なんだよ。度数法の「360度」っていう単位を一度頭から消して、「時間そのものを角度の目盛りとして使う」というウルトラCの考え方をしてみよう。
生徒: 時間を……目盛りにする?
先生: そう。僕たちが南の空をじっと見ているこの世界では、太陽はぴったり1440分(24時間)かけて、自分のまわりを綺麗にぐるっと1周して元の位置に戻ってくるよね。だったら、この南の空の世界を「1440個の目盛りがある巨大な時計の文字盤(サーキット場)」だと考えてごらん。

生徒: 1周 = 1440目盛りのサーキット……。あ!ということは、「太陽が1周する」=「1440目盛り動く」ってことですか?
先生: その通り!角度の代わりに「目盛り(分)」で位置を表すんだ。そうすると、問題文の「1日で49分遅れる」というのは、この目盛りを使って言い換えると、「太陽が1周(1440目盛り)走るごとに、月は『49目盛り』ずつ後ろに置いていかれる(先へ逃げられる)」という意味になる。
生徒: 49分という時間が、いつの間にか「月が逃げた距離(49目盛りぶん)」という位置の意味に化けた……!
先生: 気がついたね!じゃあ、この追いかけっこで、月がどんどん遅れていって、最終的に太陽に丸々1周ぶん(1440目盛りぶん)引き離された瞬間はどうなる?
生徒: 1周ぶん引き離されるってことは……あ!!時計の長針と短針みたいに、1周まわってまた後ろから太陽にパチッと追いつかれて、重なるってことだ!それが「次の新月」だ!
先生: ビンゴ!!!毎日49目盛りずつズレる月が、トータルで1周分のズレ(1440目盛り)になるには何日かかるか?だから、全体の距離を1日の進み方で割るんだよ。
【計算のイメージ】 かかる日数 = 引き離されるべき全距離(1周 = 1440目盛り) ÷ 1日あたりにズレる距離(49目盛り)
生徒: わかった!!!だから、わざわざ面倒な度数(360度)に変換しなくても、最初から「1440 ÷ 49」という時間の数字のまま割るだけで、何日かかるかが出ちゃうんだ!なーんだ、ただの割り算じゃん!
🏁 最終計算:驚くほどシンプルな答え
先生: すっきり繋がったね。あとはこれを計算するだけだよ。$$1440 ÷ 49 = 29.387…日$$
入試の指定(四捨五入して小数第一位まで、など)に合わせて、答えは「29.4日」となるわけだ。
生徒: 普段テキストで習う「月の満ち欠けの周期は約29.5日」っていう知識も、この「1日約50分遅れる」から逆算すると「1440 ÷ 50 = 28.8日」、厳密には1日48.8分遅れだから「1440 ÷ 48.8 ≒ 29.5日」になるんだって、知識の伏線回収までできちゃいました!
塾長からのワンポイントアドバイス
多くの解説書は、この「南の空をじっと見つめる視点」をすっ飛ばして、いきなり宇宙の図を見せながら数式だけをポンと書くので、子供たちの頭がバグってしまいます。
宇宙のややこしい動きを考えるのではなく、「自分が南の空を定点観測する時間(1440分)を基準の1周(全目盛り)と見立てて、毎日のズレ(49分)がそこにいくつ入るか」を計算する。
この「視点のカメラの切り替え」さえできれば、どんな難問も秒殺の神解説に早変わりします。丸暗記に頼らず、この「あ、そういうことか!」という納得の瞬間を大切に、過去問演習をゴリゴリ進めていきましょう!


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